【 セミナーという名を変えないか? 】 | 神戸加納町「BAR志賀」と昼の顔(中毒性日記Blog版)

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木曜朝8時半。自宅玄関前の共有スペースからけたたましい音、非常ベルが鳴った。あと2時間寝る予定だったので耳栓をして二度寝を試みるが、ベッドルームのすぐそこから聞こえる梅雨明けのそれとは違うジリジリ音は大量の蝉の声より大きくて、30分ほどしてまだ止まらない状況に思わず管理棟に連絡する。

「あー、非常ベルですね。今、点検調査中でして…」

少々ぶっきらぼうにも聞こえるオヤジの声だったが、マンション中からクレームの電話を受けているのだろう。はぁと僕は納得いかないぞと微かな抵抗のため息を投げつけ電話を切った。「非常事態ではないのは確かです!」くらいは言わないと、僕は着の身着のまま木の実ナナで表に飛び出すところだった。

ニュースを見ても何が起こるかわからない世の中で、非常ベルが非常に聞こえなくなったのも怖い。結局きっちり1時間で止まった非常ではない非情なベルに、睡眠を妨げられ暑いマチに出た。


昼に打合せがあった。東京の案件だが、クライアントは神戸に来た。顔を突き合わせて話すことを端折るなら受けない仕事も多い。来年の話は鬼が腹を抱えそうだが受けることにした。

その後、あるセミナーに向かった。席が後ろの方にしか空いてない盛況。まぁエントリー制だから当然なのだが、後ろから見るに幅広い業界の方がいる。ただしスポーツ界は少ない。

正直に言うと、途中さすがのネナイ星人も民泊しそうになった。それをギリギリ耐えながら悟られないように頭を上げる。少し斜め前の知人社長も同じ状態だった。よく見れば、いたるところでそういう姿が。皆疲れてる?いや、原因は他にある。

トークショー。トークライブ。トークセッション。
討論会。しゃべり場。ディスカッション…

演者や内容にもよるが、これらならほぼ寝ない。話を聞こうという覚悟と、持ち帰ろうとする知識に耳を傾けるはずである。

チラベルト…もとい、調べるとこうある。

「セミナーとは、一般に研究講習会。先生の指導のもとに学生が集まってする共同研究。演習。」

たとえ講習会だったとしても、人を惹きつける言葉や聴こえのいい声は重要であろう。しかしセミナーにはいつからか、頭をもたげさせる落とし穴(自分の醜態を棚に上げる)が多々ある。

スクリーンに映し出されるPowerPoint資料ベース。しかも同じものを参加者に配布し、基調講演やゲストを優先にするがあまりに時間が制約され「後は、お配りした資料に書いております」的まとめ。これでは参加した意義、とっておきな情報とは言えず、今日オレ行けなくなったから、例の資料でいつものように代わりにやってくれとも取れる「続きはWEBで」状態である。

もうセミナーって言葉は止めにすればいいのに。たまたま近くに見つけた参加者のホテル関係者なんて、ずっとスマホ触ってた。メモしてるんじゃない。聞こうとしていなかった。それも問題だけど、最もは聞かせる魅力がない演者達にこそ罪がある。

参加者を飽きさせない仕組み、惹きつける謳い文句。
それを考えないと、セミナーと聞いただけでは響かなくなる。

それは、非常ベルと同じなのだ。